3 設立趣旨書

世界人口の過半数、欧米および日本などの先進諸国においては概ね人口の8割以上が都市地域に居住するというグローバルな都市化が進展している今日、政治、経済、社会のあらゆる分野において、都市とその活動を支える市民社会のプレゼンス(存在意義)は、これまでになく大きな高まりを見せている。21世紀が、“都市と市民の世紀”といわれる所以である。

 

その一方で、資源・エネルギー、環境、人口、経済等の制約条件が益々厳しくなる中で、今後都市が持続的な発展を遂げていくためには、政治、経済、社会のあらゆる領域において不断のイノベーション(改革)が必要とされているが、そうした改革を進める推進力として、現実の都市活動を担っている、政府セクター、市場セクター、市民セクター等に属する多様なステイクホルダー(利害関係者)の英知を結集して、都市及び都市政策の現状について調査研究等を行い、さらに、各分野における現状改革のためのアドボカシー(主張・提言)活動を社会全体に盛り上げていく必要がある。

 

私達は、各分野において都市経営のステイクホルダーとして活動している様々な市民 を都市工(としのたくみ)と呼び、これら都市工達の協調的ネットワークにより、いわゆる政策コミュニティの形成を図り、その情報・知見等を結集し、自由かつ建設的な発想に基づく調査・研究・アドボカシー活動を推進するための基盤・プラットフォームとして、この度、都市工会(としのたくみのかい、英文表示は、The Society for Urban Masters)を設立するものである。今後、この会を中心として、まちづくり関連および政策研究関連の各種団体・機関及び自治体等とも連携しながら、適宜、幅広い都市政策ネットワークを形成し、自由な発想に基づき、都市をテーマとした情報・知見の交流・発信、都市政策に関する調査・研究・提言等に関する活動を行い、都市の持続的発展と活力ある市民社会の実現に寄与していきたいと考える。

平成25年8月26日

澤井 安勇